寒冷地仕様の自動車とは

■ 寒冷地仕様の主な違い
  • サーモスタット設定温度変更
  • 冷却水の温度をコントロールし、冷えている状態では
    サーモスタットの弁が閉じて、冷却水がラジエーターに流れないよう遮断する。
    開弁温度は80〜84度程度が通常ですが、寒冷地仕様では88度の設定する場合もある。
  • クーラントの寒冷地仕様
  • 濃度を上げることで、氷点下での凍結の限界が向上。
    クーラントが凍結膨張してラジエーターのコア(水路)を破損する事を防止。
    LLC30% -12℃・LLC50% -35℃
  • ヒーター付きドアミラー
  • 走行中にドアミラーに雪がこびり付いたり、
    凍結したりする事をその防止のためドアミラーにヒーターが装着されている。
  • ワイパーブレードをスノーブレードにする
  • 通常のワイパーに薄いゴムが被服されており、
    これはゴムより金属が雪や氷と結合しやすいため、同じゴムでも柔らかいゴムが一番 雪や氷と剥離しやすい。
  • 防錆アンダーコートの追加
  • ボディのフロア下側(外側)等に、防錆・防音・防振などの目的で
    塗布されているコーティングの事で融雪剤による錆を防止するためにアンダーコートを施す。
  • コンピュータの設定変更
  • ECU(エンジン・コントロール・ユニット、またはエレクトロニック ・コントロール・ユニット)の設定変更
  • バッテリーの大容量化
  • バッテリーは寒さに非常に弱く、低温下でのバッテリーの性能は、
    著しく低下するため容量をアップさせる。55B24R⇒80B24R。場合によっては2個取付けたりする。
  • オルタネーターの大容量化
  • 非寒冷地仕様より、10A〜20A増にする。
  • スターターモーターの強化
  • プラネタリ式からリダクション式に変更、低い電圧でもモーターが回るようになる。
    ただし、重量が増加する。
  • ワイパーモーターの強化
  • ワイパーを動かすモーターを強化し、降雪時の払拭能力を向上。
  • リアデフォッガーの強化
  • カーエアコンの暖房機能を用いることが一般的で、熱線デフォッガー出力が強化されたデフロスターもある。
  • ウインドウォッシャー液(不凍液)の成分割合変更、タンクの大容量化
  • -5度で凍結してしまうものがありますが、寒冷地対策として-50度くらいまで対応できるものに変更
  • リアワイパーの装備
  • ウェザーストリップの材質変更(軟質化)
  • ドアのゴムにシリコンをコーティングして、極寒時の張り付きを防ぐものもある。
  • 車内暖房の強化
  • 後席用ヒーターダクト、またはリアヒーターの追加
  • リアフォグランプ
  • 雪や霧などの悪天候時に後続車両からの被視認性を向上。
  • ワイパーデアイサー・ウインドシールドデアイサー
  • ワイパーが雪で氷結しないよう、ウインドシールドガラスのワイパー位置の下を電熱線で温める機能。
  • PTCヒーター(ヒーターファンの強化)
  • 電気を流すと発熱するPTC素子を使用し、エンジン暖機を待たずに暖房性能を確保。
  • サブマフラー(排気熱回収器)
  • 排気熱をエンジン暖機に利用し、速やかにエンジンを暖めることで
    暖房の効率化、冬期の燃費悪化抑制に貢献する。


    標準車と比較して価格設定が数万円程度高くなる。