なぜ、緑でなく青信号と言うのか?

■ 青信号と言う理由

解説

1930年3月23日、日本に初めて東京都日比谷交差点にアメリカからの輸入品である信号機設置された。
世界では、1868年12月10日、ロンドンにあるグレートジョージストリートとブリッジストリートの交差点に最初の信号が設置された。
(ちなみに、この信号はガス漏れに気が付かず爆発を起こしてしまった。)
当時の東京朝日新聞がこの日本初の信号を緑信号にも関わらず青信号と記載した。
信号機は、国際的に信号の色は、「緑、黄色、赤」で統一されており青信号は英語では green lightというにも関わらずです。
国際基準である事から、1930年当時、法律上でも「緑色信号」と呼んでいました。

では、なぜ青信号と書いたのか?
これは、日本人は「緑」の事を「青」と表現する事が多い事に由来する。
代表的な例を挙げると下記の通り。
「青柳(あおやぎ)」・「青々と茂る草木」・「青虫」・「青松」
「青竹(あおだけ)」・「青田刈り」・「万年青(おもと)」
また、近年では、実際の色は「緑」である栄養ドリンクも「青汁」と紹介されている。
東京朝日新聞もこの慣例に従ったのではないかと考えられる。
これがきっかっけで実際は「緑信号」ではあるが「青信号」が定着するようになり、
1947年(昭和22)法律上も実態に合わせ「青信号」とされた。

国際上では、「緑信号」にも関わらず日本では「青」色なのでしょうか?
正確には「日本では緑信号ではなく青緑信号」である。
これは、色盲者・色弱者(度合にもよる)、完全に緑色にしてしまうと、赤と区別が付かなくなることがあるため、
緑色と青色の中間の色(緑の色度範囲の中でなるべく青に近い色を採用)にすることで、
国際上の基準に合わせるとともに、色盲の方でも赤信号と青信号との区別ができるようにしている。
また、最近は、信号機にもLEDが使われ、青緑に近い色が多くなりました。

ちなみに、そもそもなぜ「青」信号なのか?という疑問もある。
「黒」信号や「紫」信号でも良いのではないかと思う。
1830年代イギリスの鉄道会社の実験で
「信号として見やすい色は白・赤・緑・青の順」ということが判明した事がはじまりとされている。
これを機に前進が白、青は注意となった。しかし、1914年の事故により緑が前進、黄色が注意に変更された。
この列車衝突事故は赤いカバーが落下し、光が白いままになってしまったことが原因で起きた。
また、一番見やすい「白」は航空信号としても使われているだけでなく、
電灯が普及するにつれて「白」が普通の街路灯と勘違いされやすくなったため、白から緑に変えられるようになったとのこと。
ちなみに「青」も航空信号に使用されている。よって、残りの「赤・黄・緑」が交通信号に使われている。

余談ですが、昔の信号機に使われる白熱電球は70ワット(小糸製作所のHP)のものが多く、
現在のLED式の信号は15ワットで、消費電力は5分の1で大幅な節電になり、
使用電力に対する発光の効率でも、電球式は1%ちょい、LEDは6%でLED式の方が優位。
電球式だとフィルターが必要になり、昼間だと太陽光線で全部の信号が点いたように感じる危険もあるもあるが、
LEDはその心配もないのもよい点である。
しかし、雪国では、電球式ではないが、LED式では雪で信号が覆われてしまう事があり、
LED式信号の写真をとると、信号が点灯していないように写ることがある。
これは、LEDが交流電源の周波数にあわせて明滅しているからそうです。
電球式とLED式も長所短所があるものですね。
また、1973年以降に作られた信号機は青緑色に作られています。
そのため、それ以前に作られた古い信号機は、緑色に見えるものもあります。

最後に、色の三原色は赤・黄・青とされていますが、
実はシアン(緑っぽい青)・マゼンタ(赤紫)・イエロー(黄色)。