軽自動車はなぜ660ccなのか?

■ 軽自動車が660ccの訳とは
● 昭和24年7月8日 運輸省令第36号 車両規則の一部改正 
軽自動車の規格が設定。
【長さ】 2.80m
【幅】  1.00m
【高さ】 2.00m
【排気量】150cc(4サイクル)・100cc(2サイクル)
【出力】 1.20KW

● 昭和25年7月26日 運輸省令第56号 車両規則の一部改正
軽自動車の中に二輪、三輪、四輪の区別が新設。
三輪および四輪
【長さ】3.00m
【幅】 1.30m
【高さ】2.00m
【排気量】300cc(4サイクル)・200cc(2サイクル)
二輪
【長さ】2.50m
【幅】1.00m
【高さ】2.00m
【排気量】150cc(4サイクル)・100cc(2サイクル)
【出力】1.20KW

300cc(4サイクル)・200cc(2サイクル)では出力不足(4サイクルで10馬力以下)であった。
車両メーカから排気量アップの要請により、翌年に360cc(4サイクル)/240cc(2サイクル)となった。

● 昭和26年8月16日 運輸省令第74号道路運送車両法施行規則制定
軽三、四輪自動車の排気量拡大
【排気量】360cc(4サイクル)・240cc(2サイクル)

● 昭和27年8月1日 運輸省令第53号 道路運送車両法施行規則の一部改正
小型自動車、 軽二輪自動車の幅が拡大
【幅】 小型自動車・1.68m : 軽二輪自動車・1.30m

● 昭和28年3月16日 運輸省令第11号 道路運送車両法施行規則の一部改正
軽二輪自動車の排気量拡大・軽自動車の中に農耕作業用を追加
軽農耕作業用車規格
【長さ】4.30m
【幅】1.68m
【高さ】2.00m
【排気量】1500cc(4サイクル)・1000cc(2サイクル)
【出力】7.50KW
二輪の排気量
【排気量】 250cc(4サイクル)・150cc(2サイクル)

● 昭和30年4月1日 運輸省令第50号 道路運送車両法施行規則の一部改正
4、2サイクルの別撤廃・原動機付自転車に一種、二種の区分を設ける
三、四輪車
【排気量】 360cc
二 輪
【排気量】 250cc
農耕用
【排気量】 1500cc

当時は、出力が大きい2サイクルエンジンの方が、多く存在したが
それでも出力不足のため、2サイクルエンジンも360ccに増加された。

● 昭和33年4月1日 運輸省令第18号 道路運送車両法施行規則の一部改正
小型自動車の長さ幅拡大
【長さ】4.70m
【幅】1.70m

● 昭和35年9月1日 運輸省令第30号 道路運送車両法施行規則の一部改正
小型自動車の排気量拡大および定格出力区分の廃止

● 昭和48年10月1日 法律62号道路運送車両法の一部改正
軽自動車の検査を実施、軽二輪は検査対象外軽自動車として区分

● 昭和51年1月1日 運輸省令第34号 道路運送車両法施行規則の一部改正
軽三、四輪自動車の長さ、幅、排気量の拡大
【長さ】3.20m
【幅】1.40m
【排気量】550cc

1970年の米国マスキー法の排気対策による出力低下に対応するために、排気量を拡大させた。
日本では、燃焼速度をゆっくりすることで、筒内温度を下げ、当時、対策が困難であったNOxを減らし、
比較的、対策が容易なCOとHCを酸化触媒で処理するという方法が一般的であった。
これでは、出力(馬力)がしてしまうため、普通乗用車は、エンジン排気量が大きくなった。
これにともない、軽自動車も排気量を増加させる事となった。

● 平成2年1月1日 運輸省令第4号 道路運送車両法施行規則の一部改正
軽三、四輪自動車の長さ、排気量の拡大
【長さ】3.30m
【排気量】660cc

550ccから660ccに拡大する際に、800ccまで拡大するという議論になった。
その議論の中で、軽自動車には色々な優遇制度があり1000ccクラスのコンパクトカーが売れなくなるという
反対意見が出た。また、アメリカからも日本独自の軽自動車に異論が出ていた。
車両サイズの拡大と、衝突安全性規制の厳格化により、重量が100kg〜200kg増加したため、
30%くらい性能を向上させる必要があった。
現在の軽自動車のエンジン回転数から判断すると、800cc程度に大型化した方が、より燃費も良くなる。
これが(700cc〜800cc)の理由。
議論の末、排気量は20%アップ+10%のエンジン基本性能改善で決着した。
この20%排気量アップ=550×1.2=660ccである。

● 平成10年10月1日 運輸省令第53号 道路運送車両法施行規則の一部改正
軽三、四輪自動車の長さ、幅の拡大
【長さ】3.40m
【幅】 1.48m